名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

サークル紹介!

こんにちは!

今回のブログ担当のイシです。

4月(も終わりかけていますが)ということで、サークルの紹介をします!!!

いろいろと新歓行ってみたけどいいサークルが見つからなかったという人や、2年生以上で、サークルを探しているけど1年生に混じって部活に入るのは抵抗感があるな~という人など、是非ご一読ください。

もちろん本が好きな人や、今まであまり読んでなかったけど新しく本を読み始めたい人、読書好きな仲間を作りたい人もウェルカムです。

やっぱり同じ趣味を持つ人と話すのは楽しいですよね!

 

 

ー目次ー

  1. はじめに
  2. 活動について
  3. メンバーについて
  4. ブログについて
  5. イベントについて
  6. おわりに

 

1.はじめに

このサークルはコロナが流行り始めた一昨年の四月にできた、今年度で3年目の比較的新しいサークルです。

当初は対面での交流が難しく、ブログと隔週のオンライン読書会だけだったのですが、昨年からは大学の規制緩和で、対面活動が可能になったので、対面とオンラインのハイブリッド型で活動しています。

 

2.活動について

現在は対面とオンライン両方で読書会を開催しています。対面読書会は名古屋大学構内にある学生会館の一室で毎週金曜日の17:00~19:00にやっています。

オンライン読書会はZoomやTeamsなどを使って、毎月第1日曜日の19:30~やっています。

形式としては課題本形式とトークテーマ形式があり、だいたい交互になっています。

課題本形式では事前に読んでくる課題本と、その本に関するお題があり、脱線しながらもそれについて話していく感じです。過去には梶井基次郎の「檸檬」やカミュの「異邦人」、村田沙耶香の「コンビニ人間」などをやっています。

一見気難しくて堅い感じがしますが、現代文の問題とかいう感じではなく、話したいことをひたすら話す、ゆる~い会ですね。お題も事前に考える必要はないですし(というか、ほとんどの人は来てからお題を見てますね)、そもそも読んでないのに参加する人(筆者)とかもいますし……。

もう一つの形式がトークテーマ形式で、これは「三島由紀夫」とか、「春休みに読んだ本」とかテーマが決まっており、それに対して本を持ち寄ったり持ち寄らなかったりする会です。本に関係あるテーマから「映画」や「音楽」など、特に読書と関わりないテーマのときもありますね。

 

3.メンバーについて

新入部員は随時募集中です。大学生であれば、大学や学年は問いません。現在も名古屋大学だけでなく、北里大学の人や藤田保健衛生大学の人なども在籍中です。最近は1年生は1年生でも、修士の1年生がやたら入部してますね。

文系の学部生が来て欲しいー!!!

meidaidokusyo.hatenablog.com

 

4.ブログについて

この記事を読んでいる方はご存じかもしれませんが、毎週ブログを更新しています。原則、毎週日曜日の更新ですが、ゆるゆるサークルなので、更新が遅れちゃうこともあります。ほんとすみません………。

ブログは当番制でだいたい数ヶ月に1度、自分の番が回ってくる感じですかね。

内容は、過去の記事を見てもらえればわかるのですが、執筆者の書きたいものを書きたいようにって感じです。本や作者の紹介をしてもいいですし、全く関係ないネタでもオッケーです。

meidaidokusyo.hatenablog.com

meidaidokusyo.hatenablog.com

meidaidokusyo.hatenablog.com

 

5.イベントについて

当サークルでは、読書会とは別に不定期でイベントを開催しています。やりたい人が参加者を募って勝手にやるって感じですね。対面での交流会やTwitterを使っての企画などいろいろやってます。今日の雑談会も楽しかったです!

 

 

6.おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。質問等はTwitterInstagramにてDMしてください。体験参加も受け付けていますので気になる方は、是非ご連絡ください。

春は出会いの季節。みなさんに会えるのを楽しみにしています。

 

文責:イシ

最近の読書事情

お久しぶりです。katoです。新学期が始まってなかなか忙しく、書く時間が取れずに遅れてしまいました。申し訳ないです…

 

今回は、春休み及び新学期始まってからの自分の読書事情について軽く書こうと思います。

 

まず春休みですが、結論から言うとあまり本を読めていないです(読書サークル員としてあるまじき事態ですが)。というのも春休みに入る直前辺りから遊戯王にハマってしまったんですね…。四六時中アプリのマスターデュエルをしていたため、春休み前半はほとんど読めていないです…。

流石にこれはまずいと思い後半は少しずつ本を読もうと思ったのですが、いかんせんコロナで家に居ると移動時間がなく、本を読む機会があまり訪れないといった感じでした…。

 

そんな状態で春休みを終えたわけですが、新学期に入ってからというのもほぼ毎日片道1時間半近くかけて登校することになったおかげで本を読む機会が一気に増えました。以前テーマ本になったものの時間がなくて読めなかった太宰治の「斜陽」や、冒頭部分だけ知っていた川端康成の「雪国」など、以前から読もうと思っていたものが読めて満足しています。最近では、Amazonのprime readingで「余命10年」を見つけて大変テンションが上がっています。

 

この調子で1ヶ月の読書数をどんどん増やしていきたいですね。

それでは今回は短いですがこの辺りで。最後まで読んで頂きありがとうございます。

先延ばし癖を直したい

 お久しぶりです。

 最近、『はじめまして松尾です。」という短いアニメを投稿しているyoutubeチャンネルにハマっている大木です。

 

 先に今回の趣旨を述べますと、先延ばしに悩んだ私が図書館で見つけた先延ばし対策のビジネス本を読んで、その効果を試してみるというものです。

 

 私は昨年の11月頃から「春休みになったら山登りを企画するぜ!!」と何度も公言してきたのですが、結局企画せずに春休みが終わってしまいました。というのも深い訳がありまして、後で企画しようとひたすらに先延ばしにしていたら、なんだか気持ちが萎えてどうでも良くなってしまったのです。

 

 振り返ってみれば、私には先延ばし癖があり、このようなことが多発していました。実際、この記事も締め切りを過ぎてから書いています。

 「このままではいけない!!」

 そう思った私は明日までの課題を後回しにして図書館に向かいました。そして、ビジネス書コーナーから先延ばし対策の本を手に取り、読んでみることにしたのです。

 

 一応、信頼性の担保のためにアカデミックの世界で心理学を研究している人の本を選びました。その内容は以下のようなものでした。(先延ばしとは関係のない内容も含まれていたため、それらは省いています。)

  • 達成したい(達成しなければならない)目標とその期限を定め、そこから逆算して短期的な目標とその期限を定める。
  • 目標を達成する上で邪魔となる要素(ふと関係のない本を読み始めてしまうなど)を列挙し、その対策を考えておく。
  • 約束を守れなかった場合の罰を決め、周りの人に伝えておく。
  • 決心は時間が立つほど鈍り、実行する上での心理的ハードルは上がっていくので、やるかどうか悩んだら何も考えずに即実行する。

 だいたいこのような内容だったと思います。

 

 これらを実践すれば、私も先延ばしとは無縁の人間になれるはず!(これらの実践自体の心理的ハードルが高いような気がしますが。)実際に効果があったかは1ヶ月後にこのブログで報告したいと思います。私が覚えられていれば!

続・本が読めない

こちらの記事の続編というか、結果発表というか、そういうやつです

meidaidokusyo.hatenablog.com

 

この記事を読んだ人もすっかり忘れ去っている頃かと思います。このころは5~6ヶ月にいっぺんぐらいのペースで当番が回ってきていたので、半年くらいやってみて結果をまとめる記事でも書こう、みたいなノリで順番を待っていたら1年2か月が経っていました。
ともあれサークルメンバーが増えてうれしい限りです。

斯く言う私は卒論やバイトにかまけており、サークルのほうは専ら人数水増し要員として活躍していました。


閑話休題。(いつか使ってみたかった語彙「閑話休題」を使えて満足の顔)


前の記事で列挙した「本の虫に戻るためのリハビリ」の結果ですが、まず「1.本の効能を信じる」は成功でした。
厳選して積み上げた書籍の柱がじわじわと効いてきた(気がする)上、手近なところにあるおかげで本に手を伸ばしやすくなりました。

ホコリがたまりやすいのが難点ですが、たまにクイックルでなでてやると愛着が出てきていい感じです。

積むことを意識しだしてから、アルケミスト双書シリーズの闇の西洋絵画史〈黒の闇〉篇、〈白の闇〉篇計10巻を(うっかり)購入しました。美しい上、白黒それぞれ5巻ずつ箱に入っているので縦にも横にも積みやすい。

画集のような本なので寝る前たまに眺めています。

 

次に「2.一度読んだ本を読む」
これは春休みの暇に何冊か読みました。

確かに一度読んだ本のハードルは低かったですし、意外と内容を忘れてるので楽しめました。でも、前回も書きましたが、これが出来ている時って結局ある程度本が読みたくなっているときなので、読書モチベが上がったかと考えると微妙です。

 

「3.朝イチで図書館や書店、古書店へ行く」は図らずも最近始まった企画「愛知県書店探訪」のためにかなり捗りそうです。いろいろな個人書店を巡ることになるので、本の収集は進むし読書モチベもキープできそう。

実際前回の記事を書いて以降何回か書店や図書館に行きましたが、行く度にちょこちょこと読書しています。家に帰って積読を。

並んでいる本を見て「あ、これ読んでみたかったやつだ~」と思い始めると同時に、家に積んであるまだ読んでない本が頭の中で存在を主張してきて、結局家で積読を読むはめになっています。なんにせよ読書は進んでいる。

 

最後に「4.メルカリに出す」ですが、実はメルカリへの出品や購入者とのやり取りが面倒で一回もやっていません。そもそも本棚からどの本を手放しつつ読み切るか選ぶこと自体が面倒。

 

 

これらの他にも、名城線ぐるぐる読書でも触れましたが、本をもって乗り物に乗るのもかなり有効でした。

意識して本を読もうとする生活自体、中学生くらいまでの自分には考えられない読書離れです。しかし、そのころの読書は居心地の良くない教室や無感動な放課後からの逃げ場だったんだろうなと気づきました。

それだけでもこの実験はやる価値があった。

最近はもっと遊ぶような読書ができている気がしているので、サークルのいろいろな企画を通して読書に親しんでいこうと思います。

 

(のみぞ)

飼育される生き物たち

 

はじめまして。今回初めてブログを担当させていただきます、ハナと申します。

私は、月に一回オンラインでの読書会に参加している名大以外の学生です。雪国の生活も今年で3年目ということで、地元とは違う四季折々の変化を楽しむくらいには慣れてきました。残りの学生生活も楽しめたらいいなと思います。

 

今回は「生き物」、その中でも「飼育される生き物」をテーマにブログを書いていこうと思います。突然ですが、みなさんは日常生活の中で生き物と接する機会はありますか?学内の実習で関わったり自宅でペットを飼育していたり。接する機会はないけど散歩の途中で鳩を観察するとか。そういえば、雨の日はカタツムリが出現する「かたつむりロード」なる道が近所にあります。普段目にしない生き物が雨の日限定で現れると嬉しくなります。このように身の回りを見渡すと、思いのほか生き物との接点があるのではないでしょうか。

 

私の通う大学ではウシやヒツジなどをはじめとする家畜動物が飼育されています。「飼」という漢字の起源は「飼育」という言葉の「飼」を分解すると食を司るとなることから、食料とするための家畜動物を飼い育てるところにあるのでしょうか。または、狩りで獲物を仕留めるためのパートナーとして犬を飼うなど、食料獲得を支える手段としての飼育も起源としてあるのではないかなと思います。ただ、これは私が楽しく考えたものなので、正しい起源かどうかはわかりません。分からないのですが、「飼育」という言葉の起源には人が何かしらの形で「生き物」を消費する要素が含まれているのかなと思います。

 

現代では食べるため(家畜動物)、癒しを得るため(愛玩動物)、実験に用いるため(実験動物)など社会における役割は違えど人が何かしらの形で「生き物」を飼育し消費しています。消費というと人が一方的に生き物を飼い利用し、「生き物」の命を消耗していくような印象を受けます。私自身も動物が好きなのですが、 生き物が好き = 生き物を飼育したい! とならないのは、生き物の命を消費することの後ろめたさを感じてしまうからかもしれません。しかし、これまで出会った「飼育される生き物たち」を振り返ると、必ずしも人の一方的な目的のための飼育に限らないのでは と思う場面があります。例えば愛玩動物である犬を公園で見かけた時、楽しそうに飼い主さんと散歩している様子は見ているこちらまで幸せな気持ちになります。家畜動物であるウシも一頭一頭性格が異なり、毎日お世話をしている方を見かけると勢いよく駆け寄ってくるウシがいます。何かしらの目的をもって飼育される生き物たちですが、生き物たち自身も飼い主や飼育環境に順応していくことで馴化し、それぞれの世界を主体的に構築し続けながら独自の主観により生きている気がします。

 

柳 美里さんの「飼う人」では風変わりな生き物を飼う人々の暮らしが描かれています。

イボタガ、ウーパールーパー、イエアメガエル、ツマグロヒョウモン

昆虫や両生類が登場しますが、それらは癒しを得るための愛玩動物ではない存在として飼育されています。

 

ウーパールーパーは、自分にとってそれほど大切な存在ではない、と思う。

名前も付けてないし…

犬や猫や鳥みたいに、名前を付けて憶えさせて、呼び寄せたり、撫でたり、しつけたりするわけじゃないし、そんなに長くは生きないと思ったから。

三年経って、いまさら名前を付ける気持ちにもなれない。

 

 

会社をリストラされコンビニで働く男性が飼育するウーパールーパー

32歳の男性は実家で暮らし、コンビニでの業務に誠実に取り組みます。

 

水が揺れてこぼれないように細心の注意を払って一段一段下りていく。

うぱ、るぱ、うぱ、るぱ、と心の内で呟きながら-。

 

男性の暮らしにおいてウーパールーパーが明確な何かをもたらすわけではありませんが、飼育している生き物を通して自分を見つめたり自身の将来を予見したりする姿が印象的です。男性は物語の最後にウーパールーパーに名前を付けます。「アポロ」と名付けた背景にはこれから起こるであろう出来事を案じながらも、未来に対する漠然とした思慮深い祈りが込められているのではないかと考えました。

この作品を通して、それぞれの世界を構築し続けながら独自の主観により生きているのは飼育環境に馴化していく「飼育される生き物」に限らず、日々世話をする飼育者も生き物の存在を通して自身と向き合う点で例外ではないこと、そして、飼育する目的が曖昧だからこそ生まれる関係性により構築される飼育者の主観の存在を知ることができました。

 

生き物好きな方、あまり生き物に興味がない方、そのどちらでもない方、それぞれの視点から見た生き物はどのように映っていますか?身の回りの生き物を通して見た世界について、みなさんとお話しできたらいいなと思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

”えせ”イタリア旅行記

とあるアニメを見ていて、唐突にイタリアへ行きたくなりました。

ので、”えせ”イタリア旅行に行くことにしました。

 

〇用意したもの

・グーグルマップ

・イタリアについて書かれた本

 (今回は著者による約三年間の海外生活についての文章がまとめられた「遠い太鼓」を選びました。南ヨーロッパ各地での定住と旅行の記録が繰り返されているため、両方の雰囲気を味わうことができお得な気分になります。)

 

〇方法

 ①本を一通り読む

 ②行ってみたい土地の記事があるページにしおりを挟む

 ③パソコンを用意する

 ④ピックアップした土地をグーグルマップで調べる

 ⑤ストリートビューで風景を映し、記事に沿って移動しつつそれっぽい気分を楽しむ

 

 今回はイタリアを中心に3か所選び、順番に巡りました。本当はストリートビューの画像を載せるつもりでしたが、著作権の問題が不安で諦めました。風景が気になる方は、よろしければ、お手元のスマホやパソコンのグーグルマップで同じ場所を調べながら読み進めていただけると嬉しいです。

 それではレッツゴー!

 

1,ボルゲーゼ公園

僕はボルゲーゼ公園の芝生の上に腰を下ろして日光浴をしている。屋台のオレンジ・ジュースを飲み、一人でぼんやりと空を眺めたり、まわりの人々の姿を眺めたりしている。(中略)広場では一群の人々が大型の気球を上げようとしているが、何らかの理由でそれがうまくいかない。三人ばかりがぱたぱたと忙しく走りまわって機械を調整したりして、あとの人々はいささか退屈しているようである。

作者が旅の本拠地としたローマに位置するボルゲーゼ公園。芝生と気球が上げられるほどの広場があるという描写から、だだっぴろいグラウンドの端に遊具が点在しているような場所を何となく想像していましたが、いざ見てみると敷地内に美術館、神殿、ボートで遊べるサイズの湖、さらにそれを取り巻く庭園を擁するとんでもなく広大な施設でした。用意したオレンジジュースを片手にポチポチと進むも、行けども行けども敷地から出られず、本当に歩いているわけではないのに少し疲れを感じる程。お目当ての気球は見られなかったものの、昼下がりのお散歩に勤しむローマ市民になった気分を味わうことができました。

 

2,メータ村

四月十二日の日曜日、パーム・サンデー、ウサコとウビさんの夫婦と僕と女房の四人でメータ村に遊びに行く。(中略)メータ村は十一世紀まで歴史をさかのぼることのできる古い村である。最初は山の本当のてっぺんにあったのだが、一九一五年に大地震があって家が殆ど崩壊し、百メートルほど下にまるごと村が移された。だから山のてっぺんにはその崩壊した村がだいたいそのままの形で残っている。辺鄙を絵に描いたような村である。

ローマから車で1~2時間離れた山の中にあるというメータ村。作中でその辺鄙さが繰り返し強調されていた通り、周囲を山に囲まれた山の斜面に張り付くようにして成立している小さな村でした。それを見たさで目的地として選んでいた崩壊した村の残骸はストリートビューでは見つけられず、航空写真でもうまく確認することができませんでしたが、村内の道路はほとんどすべてストリートビューに対応していたため、歩く感覚で巡ることができました。撮影が12月ということでサンタの人形やオーナメントで飾られた家々の通りを抜けると、石畳の広場の中心に立派な噴水がたたずんでいます。村に立つ噴水については、この村の出身である同行者ウビさんの兄が立てたものと作中に言及があったため、ストリートビューで見て「今も本当にあるんだ!」と嬉しくなりました。

 

3,ハルキ島

ハルキ島というのはかなり小さな島で、そこには町と呼べるようなものはたったひとつしかない。あとは山と荒地しかない。道さえろくにない。道がないから車だってほとんどない。船とロバがこの島の主要交通機関である。ぽぽぽぽぽ、という漁船のエンジンがほぼ唯一の騒音である。

イタリアからは少し離れて、次に向かうはギリシャエーゲ海。作者が同名の縁で訪れたハルキ島は、海に浮かぶ小さな島です。道路の少なさゆえかストリートビューはありませんでしたが、地点ごとに撮られた写真から島の様子を見ることができました。島のほとんどは茶色の荒れ地に覆われ、海沿いにわずかに家や商店が並んでいます。赤系統の色で統一された屋根に対し、壁は白、青、黄色などとてもカラフルで、まるで絵本の挿絵のような美しい街並みです。おまけにビーチから見える海がめちゃめちゃにきれいで、もし世界に自分と同じ名前の土地があって、そこがこんなにきれいな場所だったらきっとすごく嬉しいだろうなと思いました。

 

以上、えせイタリア旅行の記録でした。

思いつきで行き当たりばったりに始めた企画でしたが、ストリートビューで入れる場所や眺められる範囲が想像以上に広かったこと、さらに異国の景色が興味深かったことから、事前に考えていたよりもはるかに旅行気分を味わうことができました。

同様に映像や絵に表れた風景を追うこともできると思うのですが、あえて絵や映像のない本の知識だけを頼りに進むことで、書かれていた通りのものが写真として現実に表れてくる面白さ、さらに思っていたものと全く異なる事物や風景に出会ったときの驚きが鮮明になって、また違った楽しみ方ができるように感じました。

もちろん実際にその場を訪れる体験には比べようもないですが、地図上の旅は手軽な上に、お金も言葉の知識も感染症の心配も不要という魅力を持っています。

皆さんもぜひ、お気に入りの本を片手にグーグルマップで旅をしてみませんか。

 

書いた人:黒谷

文庫本で何ヵ国の国旗を再現できるのか

皆さんは文庫本って知ってますか? 私は知ってます。

文庫本というのは手帳サイズの廉価版の本のことを指します。

文庫本の背表紙にはいろいろな色があるんですが、今日はこれをいい感じに組み合わせて国旗を作って遊びたいと思います。題して「文庫本国旗再現ゲーム」だ!!!!(捻りゼロ)

私の精神年齢はかなり幼いので、こんなことでも楽しめます。どうだ凄いだろう、笑ってくれよ......


ルールというわけでもないですが、なるべく沢山の本を登場させたいと思います(死ぬほど積読しており、卒業するまでに紹介しきれないため)。

 

さて何カ国の国旗を作ることができるでしょうか。

 

 

 

アラブ首長国連邦🇦🇪

アラブ首長国連邦の旗


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凄い出オチな気がしますが、わたしはめげません!うおお!!

アラブの石油王の足元にひいてある絨毯とかになって、めちゃくちゃお小遣いをもらって余生を過ごしたいです。

 

〜使った本〜

森見登美彦 恋文の技術

志賀直哉 暗夜行路

スタンダール 赤と黒

太宰治 斜陽

 

アイルランド🇮🇪

アイルランドの旗

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アイルランドの国旗をまじまじと観察したのは初めてなんですけど、なんか色褪せたイタリア(🇮🇹)みたいな国旗ですね。

 

〜使った本〜

志賀直哉 暗夜行路 

スタンダール 赤と黒

筒井康隆 読書の極意と掟

 

アルメニア🇦🇲

アルメニアの旗

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アルメニア出身の作曲家は面白い曲を書く人が多いのでオススメです。どうでもいいですね。

 

〜使った本〜

三島由紀夫 天人五衰 豊饒の海第四巻

村上春樹 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)

アポリネール アポリネール詩集

 

イエメン🇾🇪

イエメンの旗

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ここで背表紙が黒い本が2冊しかないことが発覚しました。大丈夫でしょうか。もう何も大丈夫ではない気がします。

 

〜使った本〜

筒井康隆 虚人たち

サン=テグジュペリ 夜間飛行

太宰治 斜陽

 

イタリア🇮🇹

イタリアの旗

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色が濃い方のアイルランド。最近ピザ食ってないからピザ食いたいなあ、とこれ書いてて思いました。普段みんなとシェアするようなホールピザを一人で食べるのが夢です。

 

〜使った本〜

森見登美彦 太陽の塔

村田沙耶香 コンビニ人間

筒井康隆 虚人たち

 

インドネシア🇮🇩

インドネシアの旗

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どっちの色が上か下かわからない国No. 1の国インドネシアです。同率一位はポーランド(🇵🇱)とモナコ(🇲🇨)。これらの国が衝突したら、多分打ち消しあって消滅すると思います。

 

〜使った本〜

コルタサル 石蹴り遊び 下

バルザック ゴリオ爺さん

 

ウクライナ🇺🇦

ウクライナの旗

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現在状況が大変気がかりですが、それはそれとしてち○ち○でピアノ弾いてたコメディアンが大統領やってて、良い意味で肩の力が抜けた国だと思います。

 

〜使った本〜

村上春樹 神の子供たちは皆踊る

アポリネール アポリネール詩集

 

エストニア🇪🇪

エストニアの旗

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配色がカッコいいですね。男子小学生とかが好きそう。私は男子小学生なので......
MONOにも見えます。

 

〜使った本〜

村上春樹 神の子供たちは皆踊る

イプセン 民衆の敵

シェイクスピア リア王

 

オーストリア🇦🇹

オーストリアの旗

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私の知り合いのほぼ全員が誰もオーストリアの国旗を覚えていません。かわいそう。確かにオーストラリアと間違われたり、色々不憫な扱いを受けてはいるのですが。

 

〜使った本〜

筒井康隆 家族八景

筒井康隆 朝のガスパール

筒井康隆 七瀬ふたたび

筒井康隆縛り。真ん中も元々赤色だが、日焼けして色褪せまくっている。

 

オランダ🇳🇱

オランダの旗

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オランダの国旗ってもう少し明るい色だと思ってたんですけど、こんな落ち着いた色だったんですね。文庫本で国旗を再現しなければ一生気づかなかったかもしれない......。

 

〜使った本〜

フィッツジェラルド グレート・ギャツビー

梶井基次郎 檸檬

モーム 月と六ペンス

 

 

......まだア行しか終わってないことに軽く絶望しています。

 

ガボン🇬🇦

ガボンの旗

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配色が気に入っています。かわいい。名前の響きはあまりかわいくないです。国名はポルトガル語の水夫用外套(Gabão)に由来するらしいです。それでいいのか。

 

〜使った本〜

森見登美彦 夜行

新井素子 チグリスとユーフラテス

ドストエフスキー 罪と罰

 

ギニア🇬🇳

ギニアの旗

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よく似た名前の国家に赤道ギニアがありますね。(赤道ギニアの国旗(🇬🇶)は難しいので今回は出てきません。)

赤道ギニアギニアどっちがどっちなのか全く分かっていないし、わからないといけない場面がこの先来ない気がします。多分一生このままなんだと思う。

 

〜使った本〜

筒井康隆 パプリカ

赤瀬川原平 超芸術トマソン

森見登美彦 熱帯

 

コートジボワール🇨🇮

コートジボワールの旗

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コートジボワールと聞くと、なぜかスキマスイッチのアフロの方を想起してしまうんですが、どう皆さんそうでもないんですか?

 

〜使った本〜

ゴールディング 蝿の王

ダニエル・キイス アルジャーノンに花束を

森見登美彦 夜行

 

緑色が森見登美彦しかないことにここで気づきました。

 

コスタリカ🇨🇷

コスタリカの旗

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タイ(🇹🇭)のネガ反転。タイと衝突すると消滅する。私は国旗の色的に国土に赤道が通っていると思っていましたが、全然通っていませんでした。

 

〜使った本〜

モーム 月と六ペンス

ルナール 博物誌

筒井康隆 現代語裏辞典

ジッド 狭き門

丸山圭三郎 ソシュールを読む

 

コロンビア🇨🇴

コロンビアの旗

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アタック25ミームに汚染されているのでアタック25のイメージしかない。

 

〜使った本〜

ヤング たんぽぽ娘

バロウズ 裸のランチ

丸山圭三郎 ソシュールを読む

新井素子 おしまいの日

 

シエラレオネ🇸🇱

シエラレオネの旗

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ファミマの属国。もしくは日本にファミマを展開してライフラインを牛耳り、争うことなく接収することを目的としている。

 

〜使った本〜

森見登美彦 夜行

ショーペンハウアー 幸福について

村上春樹 ねじまき鳥クロニクル

 

タイ🇹🇭

タイ王国の旗

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コスタリカ🇨🇷のネガ反転。コスタリカと衝突すると消滅する。個人的にタイの文字は可愛くて好き。

 

〜使った本〜

筒井康隆 くたばれPTA

ガルシア・マルケス 予告された殺人の記録

丸山圭三郎 ソシュールを読む

サン=テグジュペリ 星の王子さま

筒井康隆 エディプスの恋人

 

チャド🇹🇩

チャドの旗

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ルーマニアとほぼ国旗が同じ。でもそのことを当人たちに言うと「全然違う!」と怒られる気がする。

 

〜使った本〜

丸山圭三郎 ソシュールを読む

東野圭吾 ガリレオの苦悩

三島由紀夫 奔馬 豊饒の海第二巻

 

ドイツ🇩🇪

ドイツの旗

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ドイツビール飲みたすぎる。。。ソーセージ食いたすぎる。。。。。。。プレッツェルはどうでもいい。

 

〜使った本〜

手塚治虫 時計仕掛けのりんご

池井戸潤 オレたちバブル入行組

中村文則 掏摸

 

ナイジェリア🇳🇬

ナイジェリアの旗

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ボビーオロゴンの故郷。

 

〜使った本〜

星新一 つぎはぎプラネット

永井均 倫理とは何か

星新一 夢魔の標的

 

 

ここで五十音表は折り返しです。マジか。早くこの地獄を終わらせなくては......。

 

早く終わらせるためには.......。

 

 

 

 

終わらせるためには......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンガリー🇭🇺

ハンガリーの旗

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横転したイタリア。

 

〜使った国〜

イタリア。

 

 

フランス🇫🇷

フランスの旗

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そうです、フランスは最近国旗が変わりました。というか第五共和制以前のものに戻りました。青い方がカッコいいと思うんですが......。

 

〜使った本〜

松本大洋 鉄コン筋クリート1

スタンダール 赤と黒 上

三島由紀夫 仮面の告白

 

ブルガリア🇧🇬

ブルガリアの旗

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ブルガリア民謡は和声や拍子のクセが強くて面白いので、みんな一回聴いてみるといいと思いますよ。

 

〜使った本〜

森見登美彦 恋文の技術

森見登美彦 夜行

コルタサル 石蹴り遊び 下

 

ベナン🇧🇯

ベナンの旗

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かつての名前はダホメ共和国。特筆すべきはその国旗です。

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??????????、???、!?、???、?、、、???、?!???!???!??、、、?!????ゆるかわすぎる

 

〜使った本〜

安部公房 けものたちは故郷をめざす

サイモン・シン フェルマーの最終定理

筒井康隆 文学部唯野教授

 

帯は禁じ手では?という声が聞こえてきそうですが、うるせえよ!!!!!なりふり構っていられねえんだこっちはよ!!!!!!!

 

ペルー🇵🇪

ペルーの旗

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立てたオーストリア

 

〜使った国〜

オーストリア

 

ベルギー🇧🇪

ベルギーの旗

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ベルギービール飲みたすぎる。

終わりが見えなくてイライラしてきて、真ん中の本の「切ない本よまにゃ」というキャッチコピーにめちゃくちゃにキレている。

切ない気持ちを、切ない本を、消費するために存在させるなよ!!!!!!!!!!!!(???????????)

 

という批判するためには、それこそこんな本を文学作品としてではなくモノとして消費してしまう、今書いてるこのブログを書くのをやめるべきなんですよね......。なんかブルーな気持ちになってきたな。

 

〜使った本〜

松本大洋 鉄コン筋クリート 1

新井素子 チグリスとユーフラテス 下

筒井康隆 笑うな

 

ポーランド🇵🇱

ポーランドの旗

もう皆さんなんとなく察しがつくかもしれませんが、

 

 

 

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こうです。

 

〜使った国〜

インドネシア

 

ボツワナ🇧🇼

ボツワナの旗

真ん中の黒線の上下にある白い細い線難しそう。でも大丈夫です。

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完璧ですね。

 

〜使った本〜

貴志祐介 新世界より 上

太宰治 斜陽

寺山修司 あゝ、荒野

 

ボリビア🇧🇴

ボリビアの旗

うおおおおおお!!!!

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ギニア、横転!!!!

 

〜使った国〜

ギニア

 

マダガスカル🇲🇬

マダガスカルの旗

ゴー☆ジャスと、アイアイという悪魔の化身みたいな猿のイメージが強いです。

どうでも良いですが、進撃の巨人のパラディ島は現実世界だとマダガスカル島に当たる、みたいな話を聞いたことがあるんですが、実際どうなんでしょうか。

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〜使った本〜

ファインマン ご冗談でしょう、ファインマンさん 上

森見登美彦 恋文の技術

森見登美彦 夜行

 

 

マリ🇲🇱

マリ共和国の旗

うおおおお!!!!

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ギニア、反転!!!!

 

〜使った国〜

 

てかこれ国旗掲揚の時、ギニア(🇬🇳)・マリ(🇲🇱)両国の国旗が左右逆にたなびいた場合、全く見分けつかなくないか?いいのか?

 

モーリシャス🇲🇺

モーリシャスの旗

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いろんな色がある国はいろんな本が使えて作ってて楽しいはずなのに、モーリシャスをやる頃には作業と化していました。

 

〜使った本〜

三島由紀夫 金閣寺

丸山圭三郎 ソシュールを読む

ヤング たんぽぽ娘

森見登美彦 夜行

 

モナコ🇲🇨

モナコの旗

......。

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〜使った国〜

インドネシア

 

ラトビア🇱🇻

ラトビアの旗

うぉぉおおおおぁぁぁ!!!!茶色だ!!!!!!やっと新しい本が使える!!!!!!!(色縛りマジでキツかったです)

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存分に使いました。

 

〜使った本〜

夏目漱石 三四郎

山野一 四丁目の夕日

夏目漱石 それから

 

リトアニア🇱🇹

リトアニアの旗

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バルト三国の中でリトアニアの国旗だけ全然覚えられない(配色的にアフリカ国家に見える)ので、何か良い覚え方があれば教えてほしいです。

 

〜使った本〜

東野圭吾 どちらかが彼女を殺した

ゾラ 居酒屋

筒井康隆 パプリカ

 

ルーマニア🇷🇴

ルーマニアの旗

チャド(🇹🇩)とほぼ国旗が同じ。というかチャド。

 

 

なのでチャドの写真を流用しました。

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〜使った国〜

チャド

 

ルクセンブルク🇱🇺

ルクセンブルクの旗

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色の薄いオランダ🇳🇱。国土がめちゃくちゃ狭いけど、デカい銀行があるのでめちゃくちゃ裕福だった気がする。私も銀行の頭取になってめちゃくちゃ横領したい。

 

〜使った本〜

三島由紀夫 金閣寺

早見和真 イノセント・デイズ

カート・ヴォネガット・ジュニア 猫のゆりかご

 

ロシア🇷🇺

ロシアの旗

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何の因果か、五十音順最後の国はロシアです。流石にタイムリーすぎますが、他意はないですよ。

ロシア文学もロシア音楽も好きなので、キャンセルカルチャーは起こってほしくないなあ、と思う日々です。

 

〜使った本〜

新井素子 ・・・・・絶句 上

ドストエフスキー 罪と罰 上

三島由紀夫 暁の寺 豊饒の海第三巻

 

 

お、終わった......長かった......。

 

 

 

 

結果発表

今回作成できた国旗は

 

38ヵ国

 

分です。

 

少ないですね。世の中の国旗の大半が複雑な意匠を施しているから本で再現しにくいことと、国旗は限られた色合いで作成されてるから特定の本の使用頻度が爆増することがわかりましたが、だからなんだっていうんですか?

 

 

いかがでしたか?

途中から飽きて完全に「こなし」てしまいました。本を数冊積んでは崩すこの作業は、現代版賽の河原なのではないかという気がして虚無でした。

私はこの記事を通して時間を、写真によりスマホの容量をめちゃくちゃ使ってしまいました。本当に何も得るものがなかった。これを見ているあなたの時間が無駄になることを想像して心の傷を癒すとか、そういうことしかできないです。おわり。

 

書いた人

榊原