名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

切ない恋のお話

こんにちは。 今日は2月14日、バレンタインデーですね バレンタインと言えばラブストーリー。ハッピーな話よりも切ない話のが印象に残っているので昔に読んだ恋愛小説を紹介します。 七月のテロメアが尽きるまで この本は難病作品の中で最も好きな1作です。…

2024年に読んだ本

こんにちは。初めましての人はボンジョルノ。君が代が好きな人は盆踊り。どうも、ゆおです。 絶賛今帰省中なのですが、*1家では墓の話ばっかりしてて面白くないので、実家にある本を久しぶりにパラパラめくって思った感想でもつらつら述べていきます。そして…

今年読んだベスト3

こんにちは、イシです。2023年ももうすぐ終わりますね。 そこで、今年読んだ本の中で印象に残っている3冊を紹介したいと思います。(今年発売というくくりではありません)。 同志少女よ、敵を討て(逢坂冬馬) 逃亡者(中村文則) 鏡の古城(辻村深月) 準…

作家紹介:松村涼哉

こんにちは、イシです。今回は僕の好きな作家、松村涼哉さんの紹介をしたいと思います。少しでも魅力が伝わればいいなと思っています。全作紹介してもいいのですが、今回は特に僕が好きな作品をセレクトしてお届けします。 作者紹介 十五歳のテロリスト ただ…

”物語を書く”とはどんな行為なのか

There are three rules for writing a novel. Unfortunately, no one knows what they are. Somerset Maugham (1874~1965) (物語を書くためのルールが3つある。 残念なことに誰もそれが何だかを知らない。) この記事は「”物語を読む”とはどんな行為なのか…

”物語を読む”とはどんな行為なのか(後編)

I am a part of everything that I have read. Theodore Roosevelt (1858~1919) (私は私が今までに読んできたものの一部である。) ここからは”物語を読む”という行為について前編とは別の視点で考えていきたいと思う。後編だけでも簡潔はしているが、ぜひ…

さあ、今から議論をしよう:オメラスから歩み去る人々編

今回は以前の読書会で扱った、「オメラスから歩み去る人々」について読書会では扱わなかった疑問提起をしたいと思う。 あらすじ 読書会のお題 新しい問題提起 あらすじ オメラスという幸福な街がある。何一つ不満もなく、皆が幸せに暮らしている。しかしなが…

”物語を読む”とはどんな行為なのか(前編)

Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot. Charles Chaplin(1889~1977) (人生は近くで見れば悲劇であるが、遠くから見れば喜劇である。) こんにちは。物語を読む、俗に読書という行為がある。おそらくほぼ全ての方に経験が…

ハンチバック:他人が課題本に設定した本のレビューを勝手に書く

こんにちは。1ヶ月ぶりの投稿になります、イシです。今回はサークルの紹介をしつつ、明日(2023/11/10)の課題本であるハンチバックの書評をしたいと思います。 ハンチバック (文春e-book) 作者:市川 沙央 文藝春秋 Amazon サークルの話は聞き飽きたよーって…

作家紹介とおすすめ:中村文則

お久しぶりの更新になりますイシです。 今回は自分の推し作家、中村文則さん(以下敬称略)の作品について僭越ながら紹介させていただこうと思います。自分の好きな作品を推しポイントを交えながら書いていきます。少しだけネタバレ(というか概要バレ)はし…

おかっぱの女

こんにちは。ブログでのみ生存が確認できるがおです。 最近、ブログを書くために「むらさきのスカートの女」という本を購入しました。2019年に芥川賞を受賞した本で、160ページと比較的短いので読みやすいです。 自分の本を購入する際の基準が、なにかしら賞…

フィクションとミステリーの融合

こんにちは。長らく幽霊サークル員と化していたfumiです。入学前には、大学は自由時間が多いと聞いていたのですが、理系学部にとってはそうではないらしく、入学してからの3年間で読んだ本の冊数は恐らく高校時代の1年分にも満たないと思います。最近も色々…

新しい本に出会える本

こんにちは。 もうかれこれひと月ほど経ってしまいましたが、新入生の皆さん、御入学おめでとうございます! 新入生に限らず、進級や就職を機に活動形態・場所が変わった方など、4月から身を置く環境が大きく変化した方が、読んでくださっている方の中にも…

ひとことレポート「ビミョーな未来をどう生きるか」

ビミョーな未来をどう生きるか 著者:藤原 和博 ジャンル:啓発書(子供向け) 「ビミョーな未来」をどう生きるか (ちくまプリマー新書) 作者:藤原和博 筑摩書房 Amazon おすすめしたい度:★★☆☆☆ 個人的満足度:★★★★☆ きっかけ:ちくまプリマー新書や岩波ジ…

ひとことレポート「超短編! 大どんでん返し」

超短編! 大どんでん返し 編者:小学館文庫編集部 ジャンル:短編小説集 超短編! 大どんでん返し (小学館文庫 ん 2-1) 小学館 Amazon おすすめ度★★★★☆ サクサク読める度★★★★★ 読み始めたきっかけ:タイトルに惹かれて ひとこと:タイトル通り、「どんでん返…

ひとことレポート「サンタクロースと小人たち」

サンタクロースと小人たち 著者:マウリ・クンナス 訳:稲垣美晴 ジャンル:絵本 サンタクロースと小人たち (マウリ・クンナスの絵本) 作者:マウリ=クンナス 偕成社 Amazon おすすめ度★★★★★ 疲れた日に読みたい度★★★★☆ 読み始めたきっかけ:家にあったため …

ひとことレポート「蝿」

蝿 著者:横光利一 ジャンル:短編小説 蠅 作者:横光 利一 Amazon おすすめ度★★★★☆ 無常度★★★★★ 読み始めたきっかけ:教科書に載っていたため ひとこと:逃亡、帰京、家族の死に目に会うためと、様々な事情を抱えて街へ向かう馬車に乗り合わせる人々の話。10…

私の思い出に残っている本

皆さんは特に思い出に残っている本はありますか? 今回は私の思い出に残っている本「都会(まち)のトム&ソーヤ」について書こうと思います。 都会のトム&ソーヤ(1) (YA! ENTERTAINMENT) 作者:はやみねかおる 講談社 Amazon 小学校の高学年の頃に、友達が…

通学のお供に古典文学を

皆さんは「ソラリ」というアプリをご存知でしょうか? 「ソラリ」は、著作権が消滅した、もしくは著作権者の許諾を得た作品のテキストを無料公開している電子図書館「青空文庫」内の書籍を読むことができるアプリです。 自分は授業で扱う作品が収録された教…

猪高緑地に行ってきた

どうも、ようやく院試から開放された大木です。 一ヶ月ほど続いた自宅と研究室と図書館を行き来するだけの毎日も終りを迎え、非常に開放的な気分で日々を過ごしています。(これから始まる研究生活に目を背けながら) 抑圧された日々が終わると、その反動で…

今年読んだ本など 【5月から8月まで 編】

〜前回〜 meidaidokusyo.hatenablog.com 皆さんいかがお過ごしだろうか。 一年生も大学生活に慣れて、というか宿題の概念がない夏休みに慣れて、弛緩し切ったダルダル大学生へと変貌を遂げたころではなかろうか。そんなお前、お前は終わりだ。そうでない人は…

本当にあった夏の怖〜い話

ある夏の日のことです。というか、昨日です。 友人と中華料理屋を梯子しまくって餃子を無限に食べるために家を出た私は、誰もいない道を炎天下の中徒歩で駅へ向かっていました。すると、少し先で黄色い帽子を被った男がこちらを見ていました。 嫌だな、嫌だ…

お前が小説を書けるようになる方法5選

ふぉっふぉっふぉ。 一般的に想像される博士のイメージ 画面の向こうにいる「小説が書きたい、でも書けない」そんな悩みを抱えているちびっ子諸君! ワシは小説博士の小説博士(こえつ ひろし)じゃ。小説博士は小説について詳しい場合とそうでない場合がある…

ひとことレポート「余命10年」

余命10年 著者:小坂 琉加 ジャンル:小説 余命10年 (文芸社文庫NEO) 作者:小坂 流加 文芸社 Amazon おすすめ度:★★★★☆ 個人的満足度:★★★★★ 今の自分を変えたいと思っている人に勧めたい度:★★★★★ きっかけ:本の名前は以前から知っていて、少し気になるけ…

ひとことレポート「宝島」

宝島 著者:真藤 順丈 ジャンル:小説 宝島(上) (講談社文庫) | 真藤 順丈 |本 | 通販 | Amazon おすすめしたい度:★★★☆☆ 個人的満足度:★★★★☆ 盛り上がり度:★★★★★ 拙者、直木賞作品はとりあえず買っておく侍につき、買って家においてあったものの、長らく…

名大祭の古本市に四日連続で通おうとしたが断念した

名大祭がありましたね。 2年ぶりのオンサイト開催、楽しかったですね。 そんな名大祭には古本市がありますね。 四日間開催で随時品が入れ替わり、掘り出し物があるかもしれない......つまり四日連続行くっきゃないということです。 ーーこれは四日連続古本市…

ひとことレポート「君たちはどう生きるか」

君たちはどう生きるか 著者:吉野 源三郎 ジャンル:教養本(?) 君たちはどう生きるか (岩波文庫) 作者:吉野 源三郎 岩波書店 Amazon おすすめ度★★★☆☆ 中学生が眩しい度★★★★☆ 読み始めたきっかけ:古き良き教養の本として有名らしいことは知っていた。積読…

読んでつくって、二度おいしい

今回は「読んでつくって、二度おいしい」と題して村上春樹さんの作品に登場する料理を実際につくって、食べてみたいと思います。というのも、古本屋で手に入れた「村上レシピ」という本が手元にあり、さらに実食してみたい料理があるためです。「村上レシピ…

さがしものの思い出

少し前の読書会で、「次に読む本をどうやって決めている?」という話題を出して下さった方がいたのですが、タイトルや表紙でびびっと来たものを手に取る、人からオススメされたものを読んでみる、とりあえず好きな作家ができたらその作品を全作制覇する、な…

今年読んだ本など 【1月から4月まで 編】

今年から何を読んだか、何を見たか全部記録することにした。私は記憶力がカスなので、何を読んだかなどすぐに忘れてしまうためである。 小説を含む創作物は本来読者の人生を捻じ曲げる力を持ちうるのに、ただ消費して忘れるだなんて作者も浮かばれないし、何…