名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

切ない恋のお話

こんにちは。

今日は2月14日、バレンタインデーですね🍫

バレンタインと言えばラブストーリー。ハッピーな話よりも切ない話のが印象に残っているので昔に読んだ恋愛小説を紹介します。

七月のテロメアが尽きるまで

この本は難病作品の中で最も好きな1作です。なんといっても言葉のセンスがいい。どこまでも透明で、純情で、まっすぐな様。タイトルに月が入る3作目なのだが、最も好きな作品でした。

テロメアとは細胞分裂に関わる染色体の構造で、細胞分裂できる最大の回数を担っていると考えられています。”それが尽きるまで”、つまり”これ以上細胞が分裂できなくなって死に向かうまで”という話なのですが、それでも少女はがんばって生きようとします。不意なきっかけで、彼女の遺書を知ってしまった男の子。だんだん彼女に惹かれて、彼女を守る決意をします。

二人の会話や、遺書のパスワードの伏線。そして彼女の最期。この作品はどこから観ても推せます。

Hello, Hello and Hello

表紙きれいですよね。続いて紹介するのは毎週火曜日に世界から忘れられてしまう少女。彼女は男の子に恋をした。

「初めまして」

彼女は毎週男の子に声をかけ続ける。1週間で仲良くなっても忘れられてしまうのに。何度も、何度も、・・・。

そして214回目の初めまして。忘れ去られる直前に彼女は「好きです」とまっすぐに伝える。走って彼女の元に向かう男の子。ただ、その途中でループは来て・・・。

世界に存在しないはずの彼女の残滓に切なくなること間違いなし。

余談ですが、とても鮮やかで文学よりの小説だと感じたのですが、当時Twitterでお話ししてて理系の方だと知りました。本職とのギャップ!

この恋は世界でいちばん美しい雨

おほかたに さみだるるとや 思うらむ 君恋ひわたる 今日のながめを

最後に紹介するのは切なくて思わず涙した1作です。事故に遭って死んでしまったカップル。そんな2人に、1人10年、合計で20年という余命が渡されます。ライフシェアリングというシステムにより、自分が幸せを感じると相手から1年寿命を奪い、悲しみを感じると相手に渡すことになります。体質から幸せを感じやすい彼女と感じにくい彼氏。キスをするという行為でも彼女だけが一方的に寿命を奪ってしまう。幸せを感じることに対してわだかまりを抱えつつもどんどん2人の合計寿命は短くなっていく。

最期に片方が死んだとき、その人は世界から忘れられる代わりに、大好きな人を想って一度だけ涙の雨を流すことができる。

切なさの最後を迎えること間違いなしの1作です。

余談ですが、一時期僕の感想が電車広告やPOPになっていました。

 

皆さんはどんな恋をされているでしょうか。僕は体験するならハッピーな恋愛がいいですが、物語としては切ない作品が好きですね。