名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

読み方抗争

お久しぶりです。今回担当のイシです。

今回は先日の読書会で話題に上がった、物語の読み方について考えていきます。奇しくも前回の僕の記事と関連がありますね。(観点自体は別ですが)

 

meidaidokusyo.hatenablog.com

このタイトルにもなっている物語の読み方って何?と疑問をもたれている方も多いですよね。だって、物語を読むためには目で文字を見て、文章と認識して意味を考えて・・・ってするしかないですもの。

今回の記事は、それ以外の画期的な読み方が見つかったぜ!とかいう世紀の大発見を報告する回ではなく、読むときにどんな要素に注目して読んでいるのかについてひもといていこう!という回です。

今回は物語にフォーカスしているので、知識を仕入れるための本は除外しますね。

 

読み方1:文章読み

読むときに文章自体に注目して読む読み方です。全体の流れとか展開よりも、文章の美しさや正当性に重点を置き、物語を全体として楽しむよりは各所各所でピックアップして楽しむ読み方です。詩とかを読むときの感覚に近いんですかね。

正直、僕の読み方があまり文章読みではないので理解できないところもありますが・・・。サークル内ではSさんがきっとこの読み方で読んでいるんですよねー。

ただ、このサークルに入ってからそういった人と触れて、少しずつ文章読みもできるようになってきています。当然、「うーん、この本の魅力がわからん」となることもありますが・・・。

わかりやすい例を挙げたいのですが、ぱっと思いつかないので以前にも紹介された本を置いておきます。僕自身、文章読みで読む本があまり好みでないので、読む機会が少ないんですよね。

 

僕自身が筒井康隆の熱心なファンというわけではないですが(どちらかというと先述のSさんのほうが読んでますね)、なんかことあるごとに使っちゃってますね。

 

読み方2:展開読み

先ほどの読み方とは対照的に文章だけでなく、どちらかというと展開に重点を置く読み方です。物語の部分部分がどうかというよりも、全体の流れを楽しむ感じです。僕はこの読み方に近いですね。映画やドラマ、アニメを楽しむときと同じ感じです。それなら映画を見るのと同じではないかって?いえいえ、小説ならば自分のペースで、自分が理解できるちょうどいい速さで物語を進めることができるんですよね。きっとこの記事を読んでいる読書好きの方ならわかってくれるはず。

僕はこの読み方で読むのが好きなので紹介できる本はいろいろとありますが、ここでは抜粋して、数冊紹介しておきます。

 

 

 

 

また、この読み方で読むような本は、起承転結がはっきりしており、物語構成になじみやすい反面、大まかな流れを予想できてしまうところはありますよね。文章読みをしている人たちによると、その流れに沿った予定調和的なものが許容できないから、こういった物語を評価できないという意見もあります。ただ、僕は、物語を読み進めていく断片で考えるのではなく、読み終えてから予定調和的な展開も含めて、全体外観的に作品を見ることで展開読みされる物語にも価値が生じると思っています。

こんな小難しく言わなくても、展開読みのドキドキ、ハラハラ感もたまらないですよね。

 

3:概念読み

これは正直読み方として並べていいのかわかりませんが、ときどきこの方法で物語を楽しむことがあるので、書いちゃいました。直接読むときにというよりは、読んだ後に本の中を飛び出して、「これが、現実に起こったらどうなるのだろうか」とか、「これと現実社会ではどこに通じるものがあり、その問題を解決するために我々はどう行動すべきなのか」など想像する読み方です。以前の記事で本を読むことで新しい価値観を得ることができると書きましたが、得るだけでなくそれを自分の中で膨らませるのが個人的には好きです。その視点で読み進めるため、ただひたすらに主人公などの考え方だけをさらっていく感じで読むときがありますね。内容など、物語の筋書きを全く気にしていないというわけではないですが、後々記憶に残るのは内容よりも、作品中で得られ、自分で膨らませた価値観のほうですね。

あまりうまくは説明できませんが、読書感想文とかを書くために読むときとかが例としてわかりやすいのですかね?

かく言う僕も長らく書いていないですが・・・。懐かしいですね、読書感想文。

これも僕の好きな読み方?なのでいろいろと紹介できるのですが、その中から数冊選びました。

 

 

 

 

みなさんはどの読み方で読んでいますか?文章読みの人も、展開読みの人も、両方当てはまるよって人もいると思います。

読み方の癖は小説の趣味にも現われます。この作家の本、自分に合わないとか感じるときはありませんか?それはきっと自分の読み方とその作家の作風が合っていないせいかもしれません。

文章読みの人からすると展開読みの本は予定調和でおもしろくなく、展開読みの人からすると文章読みの本は読みづらく小難しく見えるようです。

ただ、そこで小競り合いをせずに、お互いの読み方の良さを認め、同じ読書好きな人としてこれからも仲良くやっていきたいですね。

文責:イシ