皆さまおはようございます。
普段は北の大地で布団にくるまっていることの多い、3年のすずめといいます。
何書こうかと悩んだのですが、自分の原点に立ち返れば文章書きやすいんじゃないとのアドバイスを人から聞き、ご飯の話をしようと思った次第です。 つまり私の原点はご飯を食べることだと。
私はご飯を食べるのが好きです。だからといって自分で料理を毎日3食きっちり作っているとかそういうわけではないんですけれども。何なら1食作ったら、「すごい。自分が料理してご飯を作っただなんて」と感動してしばらく作らなくなります。
さて、本日掲げました「知恵がつくとご飯が美味しくなる?」について。
日常生活で自分にその知恵がついてしまってもご飯がより美味しく感じるようになった経験って皆さんありますか?
知恵、とは申しましたものの、何も「苦悶死した魚は筋収縮でATPが減少しうまみ成分であるイノシン酸が少なく云々…」…そこまで細かく知らなくても、「ステーキ、ビールにひたひた漬けてから焼けば肉が柔らかくなって美味しいって聞いた」ぐらいの豆知識や「あの人の食べてるやつ、なんか美味しそうなんだよなあ…頼んでみようかな」というもはや知恵というより5感で感じているものも、含めて考えてもらえたらと思います。
知恵がついてしまう(?)機会っていうのは本当にいろんなところにありますが、私の経験を一つ話しますとこんな感じです。
2年前、魚の研究をしている先生の授業をとったときのことです。
あれは日本の地域ごとに漁獲される魚介類を紹介していた時だと思うのですが、先生がスライドにのっている赤い魚を指さしながら、「イヤァ、僕はね、これ新潟行ったときに食べたんだけどね、淡泊でね、大変美味しいんだよねェ…マッ、君たちには簡単に食べられないくらい高いからまだ食べられるのは先だろうけど」と何かこちらを見ながら自慢気に言ってきたことがあります。
ただでさえその授業はお昼過ぎの時間帯にやっていて軽くしか食べていない学生が多い中で色々な”美味しい”魚介類が紹介されているので、皆スライドを見ながらさっき昼ご飯を食べたのも忘れて唾を飲み込んで見入っているわけです。自分の少ない残高を脳裏に浮かべ”いつか食べたいもんダナ”と思って、皆受けているわけです。そんな時にあの先生の一言。まあ、ちょっと(どころではないけど)、悔しいじゃないですか。
しばらくして休暇が来た時。小樽から新潟までフェリーが出ているのを何となく思い出しました。「あれ、あの魚食べに行けるんじゃ・・・?」
それで急いで計画を立ててはるばる新潟までいってその魚を食べにいきました。さすがに刺身はべらぼうに高かったので、安めだった釜めしを。先生が強調しただけあって、美味しかったし、何より「食べてやったぜ」と謎の達成感でもって余計に美味しかった気がします。いつかお金をためてお刺身の方も食べたい…私の想像ではムチムチしていて甘みが舌にふんわりひろがるような味のはずなんです。知らないけど。
食べ物と言えば、グルメと言えばということで一人、作家さんを紹介したいと思います。それは池波正太郎さん!!
池波正太郎と言えば時代小説・歴史小説の大家の一人ですよね。私の父が好きな作家で家に幾冊か彼の作品があったのですが、その中で1冊だけ随筆がありました。
何が素敵かと言うとこの「ルパスタン」という本の中には幾つか料理が出てくるのですが、それがどれもとても美味しそうに書かれているのです。「エッ、そんな美味しいなら私も食べてみたいナ」「待って待って、夏バテ対策にピッタリそうなさっぱりした…素敵なご飯だナァ」とどんどん頭の中が幸せな空想でいっぱいになってしまったこともしばしば。(おなかがすいているときは特に)
さらに彼の随筆にはこんなものも。これは大学生になってから古本屋で見つけて買って読んでいました。
美味しそうなご飯を紹介してくれる作家さんが期待を裏切るはずがなかった…
何が恐ろしいって、この本では東京の神田、浅草や銀座やらを主として(大阪のお店もでてきます)お店でご飯を食べた思い出がたくさん書かれているのですが、池波正太郎さんが訪れたお店は今でも営業されているお店が何軒かあるんです!!つまり、彼も味わったこの美味しそうなごはんを食べられる可能性があるということです!しかし、決して、決して文句を言うつもりは全くもってないですし、尊敬しているけれどもそれでも思ったことがあります。
「確かに、彼の生まれた年代を冷静に考えたら、
そりゃ現在まで残っているってなったら…
老舗
だよねェ…」
いい料亭も載っているので、なんと言いますか、学生の身には結構大枚必要な気がするお値段のお店も。お金を浪費せずコツコツためればきっと行ける日がいつか来るはず…!!どじょう食べたい!かやくめしも!
こんな風に言って如何にも一軒も行ったことがないような雰囲気を醸し出していますが、実をいうとたった一軒、行ったことがあるのです。浅草にある、浅草梅園という和菓子屋さんに粟ぜんざいを食べに行きました。美味しかったなあ…
タイトルを回収できているか怪しいし内容が脱線しそうな気もするので、そろそろ収束させようと思います。ともかく
情報を入手すると人はそれをより美味しそうに感じたり、或いは想像力を掻き立てられるあまりそれを食べようと謎の行動力を発揮できる可能性がある
というのをまとめとします。ごはんへの好奇心が不思議な効果を生み出す可能性がある、ともいえるかもしれません。
何かを知ることが、それは例えば産業と郷土料理の関わりであったり、たまたま知っている人が農家をやっていて作っている野菜に興味をもつことであったり、或いはいい香りをかぐということであったり、そういう情報量が増えると人ってごはんを美味しく感じたりするんじゃないかと思うのです。人によって考え方は違いますから食べることに興味がない人にごはんがどう映るのか、或いは好きでも私とは違う見え方があるはずなので、それはそれでいつか意見を聞いてみたいところです。
それはそうとワカサギのシーズンが来たから釣り人で誰かワカサギ分けてくれたりしないかしら。食べてみたいものです。コロナも早く収束して、そうしたら南方のお魚を食べに南の方へ遠征したいというのが、昨今のワタクシの願望であります。
うーん、この話って結局筆者がおなかをいつも空かせているだけ…かも???
ではでは。よい一日を~
文責:すずめ
参考:
・文春文庫『ル・パスタン』池波正太郎 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS (bunshun.jp)
・池波正太郎 『散歩のとき何か食べたくなって』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)