名古屋大学読書サークル

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叙述トリックじょうず

 ついにブログの順番が回ってきました。今回初めてブログを書きます、ガオです。 

 

 いろいろとブログに書く内容を悩んでいましたが、私が高校の時ドはまりし、手あたり次第読むようになった叙述トリック物の本を紹介したいと思います。

 

 本の紹介の前に簡単に叙述トリックについて説明します。

 

 ご存じの方は多いと思いますが、叙述トリックとは先入観を利用して読者を誤った解釈に導くことを意味します。

                いわゆるどんでん返しです。

 少し前から叙述トリックを利用した邦画が増えてきたので、予告などで最後の5分後ですべてが覆る!といったキャッチコピーを目にしたことがある人はいるのではないでしょうか。

 

一旦私のおすすめどんでん返し映画を置いておきます

movies.yahoo.co.jp

 

 小説のオビでは残り5行に驚愕!など書かれていますね。しかし、読者を最後まで先入観で騙し、残りの数行で欺くよう伏線を張ったり話の構成を練るのはかなり難しいものです。

 

 これまで多くの叙述トリック物の本を読んできましたが、オビ通り"残り数行に驚愕"したものは数作しかありません。

 途中で自分の先入観に気付いてしまったり、最後にトリックが分かる展開が非現実的なものや、こじつけが過ぎると驚きは低減し、完全にだませれた!という気持ちにはなれないのです。 いかに読者を欺けるか 作家さんの腕の見せ所ですね。

 

 "上手い叙述トリック"の作品を紹介する前に、叙述トリックではないのですが先入観に関連して少し面白い話を紹介したいと思います。

 

 ヤフー知恵袋であった有名な話です。

 投稿された質問はママ友同士のトラブルについてでした。

かなり要約しますと、家族で引っ越してきたB。Bは引っ越し先の団地で同い年くらいの子供を持つママ友が数人できた。

 ある日Bの娘(幼稚園に通っている)は団地の中の邸宅に住むAの娘の自宅に遊びに行くことに。その時Bの娘はお菓子を食べた手で触ってはいけないと言われた高級なピアノに触ってしまった。それから、関係が悪くなり子供たちが遊ぶ際、Bの娘が省かれるように。

なんとか関係を修復したいためアドバイスが欲しいというものでした。

 

 ベストアンサーは投票形式になっており最も多く票を集めた回答はこうでした。

 

 私もこのアンサーに少し共感しました。しかし驚いたのは質問者からのお礼コメントでした。

「本文中のAです。 嫌いなママ友ハブいてます、しつこくて困ってますと言う質問だと叩かれるかも?と思い立場を変えて質問しました。 私の行動が容認されてホっとしています。 がさつで慣れ慣れしく媚びてくる彼女が大嫌いだったので、お子さんのことは良いきっかけでした。」

 

Bとして質問していたんですね。回答者もまさかA側がどう思われるか聞くために質問しているなんて思わないでしょう。ネットで怖いと有名になった話です。

 

 こちらの話は ママ友怖い ヤフー知恵などで検索すればヒットするかと思いますので興味のある方は探してみてください。

 話が脱線してしまいましたがようやくここで小説の紹介です。ブログの冒頭で叙述トリック物の小説にはまっていたと話しましたが私は主に 「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した本を読んでいました。 

 

その中の一つにぞっとする怖い話というものがあります。"上手い叙述トリック"の作品が多数収録されていますのでぜひ読んでみてください。

短編集なので通学時電車の中で読むのにとてもぴったりです。

honto.jp

もう一つは少し前のブログで紹介している方がいらっしゃいました。

 「ハサミ男」が傑作なのでおすすめです。

bookclub.kodansha.co.jp

 

 

 最後に、私はこのブログを書く際、何か叙述トリックを凝らして書きたいと思っていました。

 

 一人称を僕にし、自己紹介も交えて自分自身をヤニカスギャンブラーで女好きな性格と書いて実は女でしたという展開にしようと思ったのですが、サークルメンバーに性別と性格はモロバレ、性別が実は違うというのは叙述トリックのよくある手であり、"僕"と呼ぶ女ではそれはないだろうと言われてしまいそうなのでやめておきました笑

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。

それでは騙されていらっしゃいませ。