名古屋大学読書サークル

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ひとことレポート「ゲーム的リアリズムの誕生」(東浩紀)

書名 ゲーム的リアリズムの誕生

著者:東浩紀

ジャンル:批評

 

 

 

おすすめ度☆☆☆☆☆

読みやすい度☆☆☆☆☆

 

読み始めたきっかけ:買ったから。

 

ひとこと:批評という「真面目な」分野では扱わないような、いわゆるラノベや美少女ゲーといった「不真面目な」分野を扱った批評集であり、オタク必読の書である……

 

という説明は全く間違いで、作品単体ではなく作品が読まれる市場なども考慮して考えると、従来とは全く違った視点から作品について論じれるよね(その場合、ラノベだからとかギャルゲーだからとかそんなこと気にする必要はないよね、というか寧ろそこも気にする必要あるよね)、という立場から、いくつかの、或いは普通は批評では取り扱われにくい作品群を批評していく、という本です。

批評、と聞いて「でもそれ、お高いんでしょう?(敷居が)」と思う人もいると思いますが、本書は全くお高くなく、分かりやすい語と丁寧な論理展開でもって書かれているため、全く批評とか知らなくても読めるようになっていると思います。また、扱われてる作品について事前知識が全くなくても読めると思います。というか読めました。

個人的には美少女ゲーの幾つかを取り扱った所が、全くゲームをやらない僕には新鮮で面白かったです。しかし、本書は普通行われるような「主人公の心情は〜」というような批評は全くしておらず、もっとメタ的な視点から批評を行なっているため、「東浩紀、こんなこと考えながらギャルゲーしてたのかぇ…。゚(゚´ω`゚)゚。」という想いは拭えませんでした。僕は詳しくは分からないですが、このような視点からの批評というのはあんまりないんじゃないかと思うので、また、この視点からの方が本書で行われているようにより自由な対象に対して批評が可能な気がするので、読んでおいて損はないかと思います。読みましょう。

あと全く関係ないですが、この本を読んでる時、丁度メガネを踏んづけて壊してしまったため、地下鉄の座席で美少女ゲームについての批評を顔めちゃくちゃ近づけて食い入るように読んでいる(目が悪すぎてそうしないと読めなかった)成人一般男性になってしまっていたので、その努力を無駄にしないためにも読みましょう。

さっきご飯食べたら腹いっぱいになって眠くなりました。この文はそんな中で眠気と戦いながら書かれました。何が言いたいか分かりますか?分かりますね?

分からない人はとりあえずamazonでこの本をポチりましょう。

 

筆者:梶