名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

詩と憧れと殺し文句と。



はじめまして、一年の泰夢(たいむ)と申します。


このペンネームは好きなアーティストの漢字表記から一文字お借りして作りました。timeの意味はありません。




今回は自己紹介がてら、詩について書こうと思います。


といっても、自分はそれほど詩について詳しいわけではありません。



ただ、小学生時代に片っ端から詩集を読んでいた思い出が未だ印象深く残っているので、この機会に振り返ってみたくなりました。



うろ覚えですが、読み始めたきっかけは単純な好奇心だったと思います。詩集のサイズやデザインが可愛くて、深く考えずパラパラ読んでいました。



何も分からない小学生低学年が手当り次第に詩集を開くという、作者の方々に非常に申し訳ない読み方でしたが、背伸びして詩に触れることがとても楽しかったことを覚えています。



今でもひとつだけ、当時読んだ作品名を挙げることが出来ます。



石垣りんの、「わたしが一番きれいだったとき」です。



詳しくは覚えていませんが、戦争について描かれていたのがまず一番の衝撃だったのだと思います。


そして「わたしが一番きれいだったとき」という、繰り返される殺し文句。


あくまで視点を「わたし」に置いた上で、小学生でも理解出来るぐらい身近な部分に注目して戦争を嘆く。




大学生となった今でも、やはり素敵で、巧い作品だなあと感じます。





小学生時代のブームが終わると詩を積極的に読むことはなくなったのですが、詩への特別な憧れはずっと持っていました。


高校時代では自分も見よう見まねですが詩を書いてみたり。


元々言葉遊びが好きなので一時期はスマホのメモ帳に沢山の詩(もどき)がありました。




烏滸がましいですが書く側の視点からみると、詩はとても自由で、だからこそ難しいものだなと思います。




「わたしが一番きれいだったとき」ぐらいの殺し文句を、いつか生み出してみたいものです。





文:泰夢