名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

本を読むための夏休み

 

 こんにちは。今回の担当は2年の鞠子です。はじめまして。

 

 夏休みになりました。今年は海に泳ぎに行こう、友達と遊ぼう、ずっと憧れていた一人旅をしてみよう、と思っていたら移動のできない夏になってしまいました。仕方がないので家にこもって本を読んでいます。読書がはかどるという点では自粛も悪くないかもしれません。今年は本を読むための夏休みです。おでかけは本の中ですることにしましょう。

機械音痴のためブログの書き方がよくわかっていなくて右往左往しています。どうかちゃんと記事になりますように。

 

 今回は最近読んだ本について書きます。

①「ナラ王物語ーダマヤンティー姫の数奇な生涯ー」

 

まずはこちら。

 大学の先生におすすめいただいたので読んでみました。古代インドの長編叙事詩といえば「マハーバーラタ」ですが、その登場人物が語った物語としてあるのがこちらの作品です。あらすじは、とある事情によって王国を失い、離れ離れになってしまったナラ王とその妻のダマヤンティー姫が、再会するために奮闘する…というものです。このように話の筋は単純なのですが、今までにない感じがして、とても楽しく読めました。

 かなり特徴的だと思ったのが、ダマヤンティー姫の描き方です。彼女の感情の起伏が非常に緻密に描かれていて、絶世の美女でお姫様、なのにちゃんと怒ったり嘆き悲しんだりします。彼女にしつこく言い寄って手籠めにしようとした狩人を怒りと呪いで殺してしまうところは驚きましたが、不当なことに対して怒ることは正しいということを強く伝えているようにも感じられました。人間味あふれる感じにとても好感が持てました。実写化やアニメ化したら流行るかもしれません。神や仙人といった存在も出てきますが、古代インドの神の特徴についてさらに調べてみたいと思います。

 汚れた心が洗われるような感じのする、異国情緒漂う美しい純愛物語でした。

 

 

②「雨はコーラがのめない」 江國香織

雨はコーラがのめない (新潮文庫)

雨はコーラがのめない (新潮文庫)

 

 

 なんとなく地元の図書館をさまよっていて見つけた一冊です。

「私」と「雨」という名前の犬と、音楽にまつわるエッセイです。ゆっくり、のんびりとしたテンポなのでほっとしたいときに最適です。出てきた音楽を聴いて楽しむこともできます。

 私は江國香織(ここで、『さん』をつけるか迷う)の、しっとりとした質感の文章が大好きです。自分の感情をそのままぶつけるのではなく、それを取り出してゆっくり観察して、落ち着いて書いている感じがします。彼女の書く文章は、感情に左右されやすく、喜怒哀楽が激しすぎる私を落ち着かせてくれます。まだ彼女の書いたものを多く読んだわけではないので、これから読もうと思います。

 

そして!ずっと前に買った本の感想を書く用のノートを引っ張りだしてきました。これからつけようと思います。 

  商品紹介みたいになってしまいますが、こちら、読んだ本の概要をまとめたり、感想を書いたり、引用をしたりする専用のノートです。三日坊主になりがちですが、自分の読書の歴史を書き留めることができるのでおすすめです。

 読書のおともに、ぜひ。

 

 それではこのへんで、さようなら。またお会いしましょう。