名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

ハンチバック:他人が課題本に設定した本のレビューを勝手に書く

こんにちは。1ヶ月ぶりの投稿になります、イシです。今回はサークルの紹介をしつつ、明日(2023/11/10)の課題本であるハンチバックの書評をしたいと思います。

サークルの話は聞き飽きたよーって方は目次からスキップしてください。

サークル紹介

当サークルでは、現在は読書会を中心に活動しています。読書会は毎回、司会という役を持ち回りでやってもらっていて、司会の人が課題本やトークテーマを決めて、当日も必ず来てもらっています。(逆に言うと司会以外の人の参加はフリーです。たくさん人がいる回ほど盛り上がるのですが。)。課題本の回は話すテーマとなるお題が添えられるのですが、まだ明日のお題は発表されていないので、どんな内容になるんだろうと考えながら執筆しています。

元々はオンライン読書会も行っていたのですが、コロナが下火になっている?影響か、オンラインでの参加希望者がいなくなったので廃止しています。需要があればまた復活させたいなと思っています。

それ以外にも月に一度ほどイベントを開催したり、細々とブログを書いたりしています。(最近スケジュールが過密すぎて企画、執筆が滞ってますが)。ちなみにブログ書きたい人も募集中です。

ハンチバック

今年の芥川賞受賞作ですね。今回はくろやさんが選出した本なのですが、イシが勝手に感想を書きます。(ちなみに許可は取ってません)。まあ、長い付き合いなんで許してくれるでしょう。

 

いろいろと書評でも見たのですが、問題作でしたね。一番刺さった部分は(多分本質とは違うけれども)身体障害が故に本を読むことが困難であると言う点です。つまり言い換えるならば、この本を読んでいる時点で、主人公の苦しみは理解することができないということです。

本を読むことを生活の一部にしながらも、本を読むことに難が伴うという状況はなかなかに過酷です。

と語るのも、かくいう自分も精神障害双極性障害)を患っているので、鬱の期間は文章情報を脳が処理できずに、本を読めない(理解できない)ので、少しは理解できるつもりです。最近はそういう状況にも慣れつつあり、脳に負荷をかけない読み方(俗に言う斜め読みみたいな感覚です)で読んでいるのですが。

 

多分この小説の主題は弱者は本当に弱者のままでいなければならないのか。と言う点だと感じたのですが、運命に抗うというのは非常に貴重な行為だと思っています。たとえそれが理解されなくても。狂気的だと思われても。

それができたからこそこの作品はラストを描くことができ、作品として芸術的に、そして人間的変革をストーリーに含ませながら結ぶことができたんだと思います。

続き

明日の読書会がどうなるか楽しみですね。どんなお題が選ばれるか見当がつかないんですよね。また後日、読書会での模様をまとめられたらなと思います。(ただ、僕の休みが当分先なのでだいぶ遅くなりそうですが)。もしかしたらX(twitter

twitter.com

のほうで簡易報告の形になるかも知れないのでそちらをご覧いただければ嬉しいです。

それではまた。

 

追記:これは読書会の後のお話

今回のお題は

  1. 終盤部の聖書引用はどのような意味を持つのか
  2. 誰に向けた作品なのか
  3. 読書バリアフリーについて

でした。正直最初の2つは結論が出なかったので割愛します。(何か意見ある方はコメントいただけると嬉しいです)。最後の読書バリアフリーについて、本を持てない、めくれないといったことは、こうして本を持ち、読んでいる私たちへの皮肉なのかなとも感じました。最近はAudibleなど手で持たなくても識ることのできる読書方法がっくりつされたとはいえ、実際にそれを使っているかと言う問いに対してはほとんどがいいえでしたね。なかなか頭に残りにくいんですよね。また、コマーシャルとかを見ても身体障害者向けのというよりは、主婦など手が塞がっていても読書がしたいという需要向けなきもしますしね。

また、視覚障害者だったり精神障害者への読書バリアフリーはまだまだ難しくて先が長いんだなあということを確認しました。

 

これからものんびりと記事を更新していきます。秋の夜長に是非。

文責:イシ