名古屋大学読書サークル

サークルメンバーがゆるりと記事を書くスペースです

 はじめまして。今回、初めて投稿させていただきます、大木です。

 

 暑い日が続いている......らしいですね。僕はオンライン授業で学校に行かず、家に篭る生活をしているので、あまり実感できていないです。そろそろ運動しようかなあ。......こんなセリフを何回も口にしたような気がします。

 

 何か叙情的で文学感あふれるテーマはないか考えていたのですが、特に覆い浮かばなかったので、少し前に読んだ本を紹介します。

 

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蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫) | 恩田 陸 |本 | 通販 | Amazon

 

 はい。有名な本なので、紹介するのも今更なのですが、蜜蜂と遠雷です。ざっくりとしたあらすじは、ピアノのコンクールを通して、様々な人が成長していくという群像劇です。

 

 この作品のすごいところは、登場人物の心情の変化や成長を演奏描写に託してしまっているところです。群像劇ですから複数人に視点が移るのですが、選手の少年少女や青年たちだけでなく、審査員にまでと、多くの人に視点が移ります。普通なら読みにくく、感情移入しにくい小説になってしまいそうです。しかし、音楽が上手いこと彼らを繋げ、また、成長の様子を描いているおかげで、登場人物一人一人に深く感情移入ができるようになっています。

 

 そして、この音楽の描写が綺麗なのです。別段、斬新な表現が使われているわけではないのですが、その場の空気が感じられるようで、陳腐な言い方ですが、物語の中に入り込んだような気持ちにさせてくれます。

 

 この本は読んでみないと魅力が伝わりにくいと思うので、ぜひ読んでみてください。僕は映画よりも小説の方が圧倒的に好きでした。

 

 それでは、拙い文章でしたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。