名古屋大学読書サークル

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フランス語で読む絵本「リサとガスパール」

みなさん、こんにちは。恵です。 

名大文学部に所属しておりますが、気づけばもう大学生活は折り返しを過ぎ3年生になってしまいました。しかも来月誕生日ということに気づきモラトリアム人間としては残念無念でたまりません。

 

さて、成人して約1年という気分には全くなれませんが、世間から見たら私も一応大人という扱いになっております。

確かに子供のころ好きだった絵本や漫画を読むとあのころとは全然違った視点で読んでいる自分がいます。

 

そんな私が今日話題にしたいのは、絵本「リサとガスパール」シリーズです。

実は私、最近までちゃんとこのシリーズを読んだことがなかったんですよ。

読むきっかけは、私が大学でフランス語を専攻したことです。フランス語を使いたい、ということで思いついたのが、フランス語の絵本を読むこと。

小説は難しくて授業中毎回心が折れているので、、、

 

ということで読みやすそうな絵本を探した結果、出てきたのがこの「リサとガスパール」でした。

早速某フリマアプリでフランス版の絵本を購入し、読んでみたら大当たりでした。

 

この絵本は、はっきり言って大人のほうが楽しめます。

そのこころはというと…

①絵がシュールで笑える

②面白い中にかわいさあり(保護者目線)

③展開が読めない

 

 たとえばこの<Lisa prend l'avion> (リサ、ひこうきにのる)では、リサが一人で初めて飛行機に乗る様子が描かれます。

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f:id:meidaidokusyo:20200517091837j:plain リサは機内ジュースをもらいます

f:id:meidaidokusyo:20200517091854j:plain やらかします

 

f:id:meidaidokusyo:20200517091903j:plain CAさんに見下ろされています

 

こんなかんじで、絵がなんともいえず笑いを誘ってくれます。

この絵のシュールさは、フランス語で読んだほうが味わえると思うのです。

というのも、絵本で書かれる日本語って、ちょっとかわいすぎるんですよね。

「だいしっぱい!」というのと”CATASTROPHE!”というんじゃ全然読み手の感じ方が変わるんですよ。

私は言語学方面はさっぱりですが、なんとなく日本語はシュールな場面ではやや不利な言語だと考えています。

それに対して、フランス語には微妙な哀愁やクスッとした笑いを誘う力があるんですねえ…不思議です。

 

というか、絵が相当面白くて笑えるので言語が完璧に理解できないほうがむしろ楽しい気もします。

 

で、この面白さはなんなのかというと、子供がとっぴょうしもなく色々やらかす姿を保護者目線でみた面白さだと思うんですよ。こどもが無邪気に予想もつかないことをはらはらしながら見守り、その合間のかわいい表情になごむ。これらを、育児をせずともこの絵本の中で享受することができるんですね~~~これこそ大人ならではの視点です。

 

ということで、皆さんもぜひぜひ「リサとガスパール」を読んでみてくださいね。

 

文:恵

本:Lisa prend l'avion(作: Anne Gutman, Georg )
ISBN : 9782012241350

画像:<Lisa prend l'avion> 裏表紙の画像を掲載

フランス語版絵本購入サイトhttp://www.omeisha.com/?mode=cate&cbid=861450&csid=3